「小さな土地の2階リビングの家」の玄関ポーチは、設計時から将来DIYでレンガ敷きにしようという計画を練っていました。

春になり、ついにその季節到来!

建主さんと共に、北海道江別市にある米澤煉瓦株式会社さんの工場へレンガを選びに行きました。

この日は4月下旬でGW前だったこともあり、これから外構作業を考えていらっしゃる方々が入れ替わり訪れて少し賑やかに雰囲気。

江別市は札幌市から車で1時間弱で行くことのできる街です。

江別市はレンガや陶芸に使用できる粘土が採掘できるとあり、古くからそれにまつわる活動が盛んな地域で、「江別市=煉瓦とやきものの街」という印象。

江別市内にはレンガ仕上げの良い感じの建物がいくつもありますし、年1回屋外で焼き物にまつわる作り手が集まる「えべつやきもの市」も有名。

明治時代より煉瓦を模した「煉化もち(レンガが化けたら食べられる?という文字遊び由来)」というお餅が作られているくらい、親しみもあるし歴史があります。

今回伺った工場は、昭和14年創業という「米澤煉瓦株式会社」さんの工場

工場内には煉瓦の山、山、山!

私は何度も訪れていますが、その度に魅了されるレンガ群。

温度と空気等をコントロールし、レンガに現れてほしい色合いを作り出す技術、こうした歴史が積み重なってこそと感じます。

レンガ工場に行って選ぶことができる状況ならば、ぜひ足を運んでみてもらう価値大いにありと思います。

レンガ工場のレンガ壁は、時間を詰め込んだ良い表情をしているのです。

なんというのでしょうか、レンガに「いい人生送っているねえ」と声をかけたくなるような。

ただし、この壁の部分のレンガが欲しいと言っても、もちろんできないわけです。

その場で過ごした時間が風合いとなり変え難い魅力をもつ自然素材。

木材もその一つですが、このレンガ工場に来てみるとレンガにもその魅力が詰まっていると実感できます。

建主さんもその月日を経た表情が良いなあと感じられたようで、何度もその壁を見ては悩み。

いくつかレンガを持ち帰らせていただき、玄関ポーチにおいて検討することになりました。

さて、実際にご自宅で並べてみて。

厚みの違うレンガをタガネで割ってみたり。

狙った位置と違う位置で割れてしまって笑ってごまかす、いち設計者(すみません)。

建主さんは非常に良い具合に割ってくれていました!これは期待大!

その他にも目地幅や割付を考えたり、DIYに使う道具や材料を下見して、段取りを考えたり、、、。

建主さんもいざ行かん!というやる気のタイミング。だったのですが。

ご家族が体調を崩されたり、今後の休みや都合が合わない見込みがあったり、、、

結果、非常に悩んだ末に、この春のDIY作業は延期という決断に至りました。

建主さんも悩みに悩んでの決断で、早く仕上げたかった気持ちが大いにあったご様子で残念ではあるのですが、来春なのか今秋なのか、まだタイミングはもちろんあります。

米澤煉瓦株式会社の社長さんはじめ、皆さんに良くしていただいて申し訳ない気持ちも多分にありましたが、やはり建主さんが万全ではない時にDIYしても何もいいことはありません。

長く残り続ける建物、DIYならば、その過程もぜひ楽しんでやってもらいたい。

それまでの間、YouTubeでイメージトレーニングをして、待っている間も楽しみを積み重ねて過ごしたり。

この出来事もまたひとつ、家の思い出話になるはず。

外部色決めの打ち合わせをしていた頃のラフスケッチを見返してみると、1年くらい前のものでした。

1年が経ち、想像の中にあったお家は、無事にこうして出来上がり、今は新しい生活を送られているわけで。

少しずつのように見える一つ一つの決断が、理想とする暮らしを作っているのだなと感慨深くなったのでした。

引き続き、私も陰ながら伴走させていただきたいと思います。

これからもよろしくお願いいたします!