2025年4月より建築基準法改正がされますが、既存住宅でもそれが大いに関係する模様であります。
新しく制度が変わることで建物の性能が向上する傾向にあったりと良いこともあるわけですが、既存住宅の改修においてはその改修の仕方に十分注意すべきポイントがあります。

2024年の現在では、木造2階建ての建物で、「壁(構造に関するもの)、柱、床、梁、屋根、階段」を、大規模の修繕・模様替を行う場合は確認申請は必要ありませんが、2025年4月からは確認申請が必要になります。

確認申請では現行の基準法の基準を適合させないとならないので、築数十年たっている建物でも、修繕・模様替をしたい所以外も、適合していない箇所があればそこも工事しないとなりません。

そんなことになってしまったら、もうコストもなにもかもどうなってしまうの!!と驚き、桃の木、山椒の木だったのです(古いですね(笑))

※改正建築基準法2階建ての木造一戸建て住宅(軸組工法)等の確認申請・審査マニュアルより抜粋

大規模な修繕・模様替えとは、「壁(構造に関するもの)、柱、床、梁、屋根、階段」について、その項目で1/2以上の範囲で寸法や材料を作り替えたりする場合のことを言います。

正直、「ええ?外壁や屋根が傷んで全体的に修繕したい場合も確認申請が必要なの?!それでは世の中の既存住宅はどうなってしまうんだ、、、」と恐れおののいていたわけですが、2023年に国が「屋根ふき材のみの改修は該当しない」ことであったり、「外壁の外装材のみの改修や内部から断熱改修する場合は該当しない」「外壁でもその上から新しい外壁をかぶせる工法なら該当しない」といった指針をだしました。

多少ホッとはしたような気持ちですが、技術的な話は今後出す予定とのこと。

耐震改修を行うとき、間取りの変更を行うようなリノベーション、コンバージョンのときが気になります。

耐震改修を行う場合は、確認申請にかからない範囲で行える工事なのかは要チェックですし、間取りの変更の場合は構造的な柱や壁を触らないかどうかがチェックのポイントになりそうです。

「いやいや、確認申請を出して全部直せばいいんじゃないの」というご意見もあるかもしれませんが、確認検査機関によっては、当時の確認申請書および完了済証や構造計算書が揃っていないと確認申請の受付は難しいと言われることもあります。
現在は確認申請や完了済証をほぼ取得するような状況ですが、1981年以前など築数十年前の当時の建築状況はそうではなく、完了済証がない物件も多いものです。

2025年以降は、今にまして耐震改修や断熱改修時には、できる限り現状調査の上、改修方法を吟味していく必要があると感じます。
事前に吟味する分には、コストの調整にも良い影響を与えるかもしれないと思いますので、良い点も難しい点も踏まえ、あまりどんよりと暗くならず(笑)、頭を使って立ち向かいたいと思います。