2024年4月14,15日に、岐阜県高山市で行われた春の高山祭(山王祭)へ行ってきました。

協同している「家と草木のアトリエhausgras」で設計監理した「飛騨高山の古い町家」もあることから、高山市へは度々行く機会があり、今回で私は4度目の滞在。

とはいえ、日本三大美祭のひとつとされる高山祭を見学するのは初めて。

今季は桜の満開の時期に重なり、喜びひとしおでした。

秋の高山祭のエリアとなる江名子川沿いのソメイヨシノも、春の祭りを祝福するように美しく咲いていました。感動。

高山祭の様子は「家と草木のアトリエhausgras」の4月18日のブログでもご紹介していますので、よろしければご覧ください。

夜祭の時間帯は、屋台以外でも街の提灯がともり、傘が飾られ、祭りを祝う雰囲気が膨らんでいました。

さて、高山の街を歩いていると、北海道の街並みとは全く異なることがいくつも。

その中でも毎度素敵だと思うことは、軒の連なり、軒の低さ、そして建物の威圧感のなさ。

高山の家々は隣地間が狭く隣接して共存している町家もあり、屋根の傾斜も雨仕舞も自然と道路側へ。

軒が低いことで窓や外壁が守られつつ。

内陸の気候で朝晩の温度差があり、冬にはマイナスにもなる高山市は札幌市と気候が似ています。
積雪量は札幌市よりは少ないとはいえ、雪も降ります。

屋根勾配も気持ち緩やか。そして、雪止めや軒先に落雪防止の工夫も。

家の先に草花のプランターが置かれていることも多く。

隣家が迫っているので陽があたる場所は自然と道路側に。

家先に生き物の潤いが感じられて、旅行者の私も和む気持ち。

屋根の庇と1階出入口の庇の2段階になっていて、出入口の直上にある庇は奥行が深すぎず低いので、威圧感がなく、重心が低く。

なんというのでしょうか、いい意味で建物が大きく感じず、人に近い存在のような気がします。

国の重要文化財の「日下部民藝館」の軒も低い。

内部はダイナミックな空間が広がりますが、外部は軒が低く、落ち着いた街並み。

街並みの不文律があり、優れた職人の力と美意識で作り上げられてきた街の歴史は、北海道とは桁違いで深い高山市ですが、どことなく門前払いされない気がするのは、この軒の良さなのかもしれないと思ったりします。

宮川の朝市沿いにいるにゃんこにも職人技を感じられて面白い、高山街歩き。

何度行っても飽きることない高山市。

まだまだ見たいところが尽きません。

次はいつになるかな。