小さな土地の２階リビングの家（2F）

小さな土地の２階リビングの家（２F）　

２階には、リビングダイニングキッチン、ベランダ、個室やワークスペースを。
リビングダイニングキッチンが約17畳、隣接するベランダは３畳のスペースです。
傾斜天井で解放感のあるリビングダイニングキッチン、ペンダントライトが下がるダイニングテーブルがこの２階スペースの中心です。

リビングのたたずむ場所は遠くの山々が見えるように。
土地初見から計画の筋道となりました。

２階の天井は北海道産トドマツ無垢板貼り。
外の景色と家族の空間を伸びやかにつなげてくれるようにベランダに向かって流れるように屋根の傾斜のとおり貼っています。

ソファに座った先に見える北海道産ほたて漆喰による左官壁。
映画鑑賞好きな建て主さんがプロジェクターで映画を投影するための壁として、計画段階から広さを確保。

このように表面は細かなざらつきのあるほたて漆喰ですが、プロジェクター投影も問題なし。
マットで肌さわりも優し気な北海道産のほたてを使ったほたて漆喰です。

南面にあるベランダは奥行1.8ｍ程。
夏は暑い日差しがリビング室内へと届きにくく過ごしやすくなるようにという考えもあり、ベランダ全体に屋根をかけています。

ベランダは３畳ほどの広さ。
決して余裕のある広さではありませんが、テーブルと椅子をセットして朝食も食べられるくらい。
無垢板、壁下地が表しとなったベランダは、フックをつけプランター植物などを飾ってみても良く映えると思います。

室内の北海道産カラマツ無垢板フローリングに続いて、バルコニーの床材もカラマツの乾燥材。ウッドロングエコで塗装。
内外が同じような床高さで続くため、一体的な楽しみ方もできるところ。
室内からもより広く感じられるように思います。

キッチンは、木材とステンレスによるオリジナル造作。
キッチンは壁面取り付けにしましたが、家族で料理を楽しみたいというご希望をダイニングテーブルや通路側の中棚付きカウンターを使いながら、回遊してキッチンを家族みんなで同時に使えるよう配置を工夫しています。

キッチンは、引き出しだけではなく、オープン棚も。
特にコンロ下はオープン棚になっていると、調理の最中に鍋やフライパンを取り出しやすく重宝すると感じます。

天井に現れる設備関係はペンダントライトのみにしました。
夜は壁の照明やスタンドライトで過ごす計画です。
キッチンなど明るさがしっかりと欲しいエリアにはあらかじめ照明配置をしています。

リビングでくつろいでいる時、無垢フローリングの床で寝転がっている時、様々な場面で天井を見上げることが多いと思います。
そのときに経年変化で色味わいが出て、表情が生まれた木の板のみの伸びやかな天井があったら、それはとても大らかで気持ちがよい空間になるだろうと考えて設計を進めていきました。
実際暮らしてみての建て主さんのご感想も伺いましたが、夜は思ったよりも明るく感じ、不安感なく過ごされているご様子。

天井のトドマツ材は床のカラマツ材より少し明るい色調。
全体的に優しげな印象を与えてくれています。

個室も同様に壁のみに照明を。
勉強等のときにはデスクライトを使ったり、ベッドサイドに読書灯を設けたり、場所の楽しみ方が広がると思います。

小さな土地の中に緑の見える場所をなるべく探して窓を。

間口の狭い小さな土地だからこそ２階リビングにしたことで、家の内外から、暮らす地域の自然を日々感じられる家となりました。
内外に無垢板を多く使ったこの家は、自然素材の変化が艶や色で表れ、ふとした時にこれまで過ごされた家族の時間と共に味わい深いものに感じられることと思います。
北海道で生まれた木々や自然素材で出来たこの家と時間の変化を楽しみ、末永く暮らしていただけますように。